海外で日本人が日本人を騙す!安心感を煽って金を奪った日系企業の手口

安心感を利用した詐欺まがいの金融商品

ちょっと前のことです。

オークランドにあるイーストウィンド(以下EW社)という会社の社長が亡くなりました。

この会社は、

『グループ定期預金』

というワケがわからない金融商品を主に現地在住者向けに販売していました。

『定期預金』という言葉が顧客に安心感を与えるわけですが、そのウサン臭さは半端ありません。

EW社の広告には、

『ニュージーランドの銀行と一括契約している』

と書かれてあります。この表現だと、顧客のお金は、

『ニュージーランドの正規の銀行に預けられてる』

という印象を持つので安心します。

しかし、その肝心な銀行名は広告のどこにも表記されていませんでした。

銀行は『国のお墨付き』がなければ営業できません。

銀行の信用は国が裏付けていることにより、利用者は安心してお金を預けらるのです。

銀行の信用=国の許認可

 ↓

消費者が安心して預金

そして、高い信用をうまく利用するのが詐欺の常套手段。

さらにEW社の広告は以下のフレーズでたたみ掛けています。

『◯◯◯◯年からニュージーランド在住の◯◯◯◯人に利用されてます』

長い歴史がありますよ。あなたと同じ在住者がたくさん利用してますよ。

こう書くことで顧客の安心感はさらに増すことになります。

あり得ないような高利回りリターン

安心感を持ち始めた顧客が視線を横にずらすと、その広告には目を疑うような利率が並んでいます。

最低預入金額は5000ドル〜 預入期間は最短6ヶ月から最大5年まで

期間が長くなるほど利率が高くなるので、できるだけ長く預金したくなるような仕組みです。

1万ドル(約75万円)以上を最長の5年間預けるとその年率は9%

(2019年1月25日適用と広告記載)

ありえないほど高い利息を受け取れることになっています。

たしかに、昔だったら銀行の定期金利が非常に高い時期もありました。

(画像:interest.co.nz)

しかし、現在はニュージーランドの歴史上、最も金利が低い時代

銀行は高い利息を約束してまでEW社と提携しなくても安く資金を調達できるのです。

これは少し考えれば誰でもわかること。

年率9%の利息を払う=それ以上の金利で貸付

こうしないと銀行は儲かりません。

それに加えEW社への仲介手数料もあるので、貸付利率は闇金レベルの高金利になってしまいます。

低金利の時代に、信用度の高い企業や個人が年利十数%の借り入れをするわけがありません。

貸付先があるとすれば信用力が低いブラックな方々だけ

銀行がEW社を儲けさせるために、そんな危ない橋を渡るはずはないのです。

定期預金の利子課税免除という罠

グループ預金の広告には、

『サービスとしてNZの利息課税はEW社が負担させていただきます』

とも書かれてあります。

それはまるで、ジャパ◯ットの分割金利・手数料ご負担サービスのよう。

ニュージーランド在住者の利息収入に対しての課税率は、

所得額に応じて『10.5%〜33%』

これをEW社が負担するという大盤振る舞いですが、一体どうやって負担するのでしょう。

個人が納税する分を上乗せした利息を払うのでしょうか。

しかし、お金に疎い顧客にとっては、マイナス要因が見たらない『パーフェクト商品』に見えるようにできています。

小さな文字で書いてある注意書きこそ要注意

企業が広告でアピールしたいことは、とりわけ『大きな文字』で書かれてあります。

逆にネガティブだったり都合が悪いことは、できるだけ『小さな文字』になってることが普通です。

えっ!こんなところに書いてあったの?知らなかったよ!

そう言っても契約してしまえば後の祭り。知らぬ存ぜぬでは済まされません。

EW社の広告にも小さく控えめな文字で、

『途中解約はお受けしておりませんのであらかじめご了承ください』

と表記されてます。

ニュージーランドの銀行の定期預金は手数料が発生しますが途中解約は可能です。

ではなぜ、この商品は途中解約ができないのか。

元々、こんなに高い金利を何年も払い続けられるはずはありません。

いずれ自転車操業に陥るのは最初から承知のはず

預金を返せなくなったらバックレるだろうな。。。

事実、そうなってしまっているようです。

事前告知なしの利率の変更?

『情勢の変化により金利が事前の告知なしに変更されることがあります』

『お申し込みの前に再確認してください』

との表記。

申し込んだ後は、最初に決めた預入期間の金利は変わらないんだよね、と思いたいところですが、これも怪しいところです。

まぁここまでくると、もうどうでも良くなってきます。

リスクゼロの儲け話は絶対に乗らない

グループ預金で、100人から1万ドルを集めると100万ドル。

個人にとっては100万ドルは大きなお金ですが、銀行は日々、莫大な資金を動かしています。

金利を優遇するにしても、

通常の1.5倍や2倍にもなる利息

など払うわけがないのです。

銀行の定期預金は、元本が保証される『安全、安心』の預け先です。

その安心感をうまく利用しているわけで、

リスクゼロの儲け話などありえません

そんなものにうっかり乗ると高確率で騙されます。

日本人だからという理由で安心してはいけない

現地の生活情報サイトに、EW社のグループ預金利用者と思われる人たちが

『EW社と連絡が取れなくなって困っている』

という書き込みをされていました。

EW社の社長が亡くなったことで、事態は深刻になってしまったようです。

こうしたことは世界中で起こっていて、

日本人が日本人に騙される

ということはよく聞く話なのです。

知り合いに、東南アジアのある国で、家を買おうとした人がいます。

現地の不動産エージェント(日本人)を頼ったところ、そのお金は全て持ち逃げされてしまったと、後日聞きかされました。

『日本人が言うのだから安心』

『日本人経営の会社だから安全』

海外に出ると同じ日本の出身者というだけで、人や会社を安易に信用してしまいがちになります。

まともな日本人の方がもちろん多いのですが、単純に

『同じ日本人だから』

という理由で人を信用するのは危険です。

まとめ

今回のグループ預金は、広告をちょっと読んだだけで『怪しい』とわかるものでした。

これが見極められないと、

いつでも、どこでも、誰からでも騙されます

グループ預金を募っていたEW社は、現地在住の日本人の間では知名度があった会社です。

しかし、その噂は決して良いものばかりではありませんでした。

ネットでググるだけでも色々な情報を集められますので、知名度だけで安心せず、まずは自分で良く調べてみるべきです。

お金を騙し取ろうとする輩は、お金に疎い人を執拗に狙って攻撃してきます。

・リスクゼロ

・元本保証

・高利回り

これらのキャッチコピーで、安心感をやたらと醸し出そうとする金融商品は、まず疑った方がいいです。

もし、そんな商品を『いいかも』なんて思ったことがある人は、騙されないように十分注意してください。

限りなく黒に近いグレーな心理術(メンタリストDaigo著)

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