人口減と高齢化で増税確実?海外移住は老後の解決策にはならない

日本に帰る理由がないだけです

『今年は日本に帰らないんですか?』

海外に住む日本人の方に会ってよく尋ねられる質問です。

『はい、今年どころか来年以降も帰る予定はありません』

すると次の質問はこうなります。

『なんで帰らないんですか?』

『帰る理由がないからです』

別に日本が嫌いなわけではありません。

ただ、この国にいることが快適なので、

『特に目的もなしに帰国するのは無駄だな』

そう思っているだけです。

人ぞれぞれ快適と感じる場所は違います。

誰もいない山奥が好きという人もいれば、都会のど真ん中が刺激的でたまらないという人もいるでしょう。

だから自分が海外が好きでも誰かに移住をすすめるようなことはありません。

日本の人口減少ペースが加速している?

2058年に日本の人口は1億人を割ると国連の人口部が発表しました。

前回(2年前)の発表では1億を下回るのは『2065年』としていたので、人口減少が加速しているということです。

そして2100年になると、日本の人口は7500万人になるとのこと。

(出所 朝日新聞デジタル)

今よりおよそ4割も減っている計算になります。

昨年(2018年)、出生数から死亡者数を引いた自然減は初めて40万人を突破しました。

出生数死亡数自然減 
2016年97万人130万人ー33万人
2017年94万人134万人ー39万人
2018年91万人136万人ー44万人

2000年代前半に始まった日本の人口減少は、グラフで見ると、最近加速していることがよくわかります。

(出所 Nippon.com)

人口減少が悪いのではなく人口バランスが悪い

『人口が減るってそんなに悪いことなの?』

たしかに、ニュージーランドの国土は日本の4分の3もある割に人口は『福岡県』とほぼ同じ。

それでも国としてちゃんと回っています。

仮に日本の人口が7500万人になっても現在のニュージーランドの『15倍』もあるのです。

では何が問題なのでしょうか。

人口の数よりも問題なのは『バランス(割合)』です。

少ない若者がたくさんの高齢者を支える割合が世界一

例えば、最近話題になることが多い年金問題。

高齢者の年金は実質的に現役世代が負担しているわけですから、人口バランスは本来、以下のようになっていなくてはなりません。

現役人口>高齢人口

65歳以上の高齢者人口に対する現役人口(25歳〜64歳)の割合を「潜在扶養率」と呼びます。

世界平均は『5』で、この状態は以下のような感じ。

現役人口500人 ÷ 高齢人口100人 = 5

理想的なバランスですね。

では、日本はどうなっているのでしょうか。

現役人口180人 ÷ 高齢人口100人 = 1.8

若い世代が高齢者を支えるには負担が重すぎの状態です。

2019年の潜在扶養率で、日本は世界で最も現役世代の負担が重くなっていると国連が報告しています。

(出所 佐賀新聞Live)

こわいのは日本の高齢化は今が『ピークではない』ことです。

これから高齢者が急増する東京

人口が減っている日本で人口が微増する場所があります。

それは『東京』

現在の人口は約1351万人で、2045年には1360万人になると予測されています。

『それなら、東京に引っ越せば老後は安心なの?』

いや、そうでもないようです。

<東京で進む急速な高齢化理由>

・東京でも高齢化は進んでいる

・子供を頼って地方から高齢の親たちが流れ込んいる

都内の高齢者人口は以下のように増えると予測されています。

2015年:約300万人

2040年:約400万人(予測)

1350万人(東京の人口) ÷ 400万人(高齢者) = 3.3

未来の東京は『3人に1人』が高齢者になるということになります。

増税しないと福祉サービスを維持できない

高齢者が増えると何が起こるのか。

予測されているのは病院や介護施設が不足することです。

当然、医療や介護の現場で働く人も大幅に不足します。

病気や介護状態になっても適切なサービスを受けられるのか。

専門家は、

『施設を整えることや人材の育成は一朝一夕にはいかない』

と指摘しています。

また現在の福祉サービスを維持するには、増税による負担は避けられません。

その場合、東京で働く人の税負担は、

『2045年に現在の1.6倍になる』

と予測されているのです。

海外移住は「解決策」ではありません

『日本の未来がヤバいなら海外に移住したほうがいいの?』

ここまで書いておいて何ですが、僕はそうは思いません。

海外に出れば、言葉や文化の違いがあり、人との付き合いかたも異なります。

自分が快適と思える場所でなければ住み続けることなどできません。

日本国内でも都会から田舎に移住して、土地のしきたりや習慣に馴染めずに挫折する人もいます。

それが海外になるとイメージとのギャップはもっと大きいので、

『移住はしたものの、海外生活が肌に合わないから帰国する』

そういう人も決して少なくないのです。

増税されても世界からみれば日本はまだよい国

日本は高額所得者の所得税は重くなっていますが、一般的な収入の場合はそれほどでもありません。

<日本の所得税率>

所得額税率   
4000万円超45%
1800万円〜4000万円40%
900万円〜1800万円33%
695万円〜900万円23%
330万円〜695万円20%
195万円〜330万円10%
195万円以下5%

それでいて道路や公共交通、通信インフラが整っていて便利。

凶悪事件はあるものの、世界の基準から見れば治安はよく保たれている方だと思います。

『急激な増税』などしたら国民が反発するのは政治家もわかっています。

税金を上げるにしてもゆっくりとしたペースとなるはずです。

せっぱつまった状況になるまで、まだ時間は残されています。

今から老後の対策を進めておけば、自分が快適だと思う場所で生きていく術はいくらでもあると思います。

経済的な老後対策はやはり投資

『老後の対策?って』

例えば、経済的な負担を乗り越えられるよう、投資で資産を増やすことは対策の1つになります。

資産の増やし方についてはこれまで何度もこのブログで書いてきました。

例えばこちらの記事↓

『若い世代は年金をもらえなんだよね』 もしかして、あなたはそう思ってます? 日本の年金制度は賦課(ふか)...

投資に関する情報は世の中にたくさん出回っていますので始めは迷うかもしれません。

そうした時は、長く続けられそうで、リスクによる心理的な負担が重くならないものがおすすめです。

まとめ

日本の人口減少ペースは加速しており、それに伴い世代間のバランスが崩れています。

今後、年金だけではなく、医療や介護の問題も大きくなることが予測され、現役世代の負担は増える一方になるでしょう。

日本で最も多くの高齢者人口を抱える東京の税負担は、将来的に全国で最も高くなること言われています。

日本の未来がヤバいなら海外移住をすれば良いのか、といえばそうでもありません。

実際、移住後に海外での生活に嫌気がさして帰国する人が少ないくないからです。

やはり、どんな場所であれ自分が快適と感じる所で生きられるのが幸せなのです。

そのためには、老後もその生活を支えられるだけの経済的な基盤が必要で、長期的に資産を増やせる投資は有効な対策手段になります。

日本の未来は確かに厳しいものがありますが、悲観していても仕方ありません。

今から地道に投資を続ければ、安心できる老後を実現するのは可能だと考えています。

日本で老いて死ぬということ―2025年、老人「医療・介護」崩壊で何が起こるか(朝日新聞迫る2025ショック取材班著)

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