コロナの影響でビザはどうなる?間違ってはいけない海外移住のタイミング

永住権の発給にストップがかかった豪州

オーストラリアは海外移住先として高い人気を誇る国。

取得できる永住権の種類はいくつかありますが、その中の1つが

『技術独立永住ビザ189』

このビザの申請前に行う手続きは以下のようになります。

①必要ポイントを取得

②EOI(Expression of Interest)を提出

③高得点者や必要技能を持った申請者を移民局が抽出

④Invitation(招待状)を発行

EOIの提出者全員が永住権を申請できるわけではなく、『招待状』をもらえた人だけが次のステップに進めるようになっています。

招待状をもらうだけでも大変そうですが、実際にどのくらいの招待状が発行されているのでしょうか。

2020年3月の招待状発行数(月間)は1,750。

ところが4月には、わずか『50』にまで激減してしまいました。

前月比97%の減少(1750→50)

発行をほぼ停止している、と言っても過言ではない数字です。

この背景にあるのは、新型コロナウィルスによって引き起こされた

失業者の急増

下の記事では、3週間余りで最大『78万人』の雇用が豪州で失われた、と報じています。

(出所 Business Insider Australia)

移民に永住権を与えるより、豪州人の雇用機会を守ることが最優先

そういう状況となっているようです。

永住権申請を予定していた人にとっては非情な対応に感じますが、豪州のあるビザエージェントは、

政府の対応はリーマンショックの時と似ており、驚くべきことではない

と言及しています。

今、豪州で起こっていることは決して他人ごとではありません。

同様の事態がニュージーランドでも起こる可能性は十分あると考えておくべきでしょう。

人気観光地の異常に高い失業率

ニュージーランド南島にあるクィーンズタウン。

人口3万人にも満たない小さな町を訪れる人は、

年間330万人(2018年)

世界中から押し寄せる観光客が、ホスピタリティ産業の雇用を支えています。

しかし、新型コロナによって人の流れが止まって以降、観光客はほぼ『消滅状態』となりました。

その結果、仕事も激減して、

クィーンズタウンでは失業率が最大30%に達する

(出所 Otago Daily Times)

そう見込まれるほど、雇用問題が深刻な状況に陥っています。

ニュージーランドの観光産業は海外からの旅行者、いわゆるインバウンド需要に支えられて成長を遂げてきました。

ロックダウン解除後を考えても、国境を封鎖しているうちは観光業は『国内需要』だのみです。

海外渡航者の受入が始まったとしても、需要が本格的に持ち直すには、

新型コロナの『世界的な収束』が不可欠

これがいつ頃になるかについて正確に答えられる人は、まだ誰もいません。

景気悪化とビザ発給の相関関係

失業者が多く発生しているのは観光業だけに限った話ではありません。

現地大手銀行のあるエコノミストは、

今年の年末までにNZの失業率は『8%』に達すると予測

新型コロナ発生前の失業率は4%ほどでしたので、今後『失業率が倍増する』可能性があります。

失業者が増えれば当然ながら消費は伸び悩み、景気は悪化します。

そして、不景気が長引くようになれば、

【企業】新規雇用を抑制

【政府】移民の労働ビザ、永住ビザの発給を抑制

これらが待ち受けることとなります。

経済不況の前例として参考になるのが、リーマンショックです。

世界金融危機の発生後、明らかなのはNZの人口の伸びが落ちていること。

人口増加数2009年比
2009年51,900人
2010年41,700人ー10,200人
2011年25,600人ー26,300人
2012年26,400人ー25,500人

人口の変化には様々な要因があります。

ただ、前述の豪州のビザエージェントが

景気悪化とビザ発給には相関関係がある

と指摘したように、『移民の減少』が人口増加ペースを減速させた可能性は否定できません。

労働党政権の移民政策とは

ニュージーランドの政治は、労働党と国民党の2大政党が政権交代を繰り返しながら運営されてきました。

【1975年以降のNZ政権】

期間政権政党
1975年〜1984年9年国民党
1984年〜1990年6年労働党
1990年〜1999年9年国民党
1999年〜2008年9年労働党
2008年〜2017年9年国民党
2017年〜現在3年労働党

現在は労働党政権ですが、今回のコロナ対策によってその評価は高まっています。

最新の世論調査でも、

『87%』の国民が政府の対応を評価すると回答

(出所 Stuff)

今年9月には、ニュージーランドで国政選挙が予定されています。

労働党のアーダーン首相は歴史上例を見ない難問に対して、強いリーダーシップを発揮しました。

これから対応する経済問題を乗り切れば、総選挙で与党(労働党)が勝つ公算はかなり高いと言えるでしょう。

労働党は前政権を担った国民党が、

人口を急激に増やす一方でインフラ整備を怠った

と指摘しています。

労働党はこの『欠陥』を補うため、インフラ整備に力を入れる一方で、

移民の純増数を減らすこと

これも政策に盛り込んでいます。

(出所 労働党HP 移民政策)

今年の総選挙で労働党が勝てば、2023年まで現在の政権が維持されます。

移民政策に変更がない限り、ビザの発給数が大幅に増える可能性は低いと言えるでしょう。

まとめ

ニュージーランドの新型コロナ対策は世界から称賛されるほどで、感染の押さえ込みには成功したと言えます。

一方で、経済的には大きな犠牲を伴っており、今年の失業率はかなり高くなることは間違いありません。

そうなれば、

経済問題が移民の雇用やビザの発給に強い影響を与えることは必至

また、今年行われる国政選挙で与党(労働党)が勝利すれば、移民数抑制の流れは継続することになります。

これらのことから、現在の状況はNZヘ移住を考えている人にとって、決して良いタイミングとは言えません。

ただニュージーランドは、

海外から移民を受け入れることで発展を遂げてきた国

移民政策は変更されることが常で、それは移住者の増加時期が周期的に訪れているのを見れば明らかです。

(出所 Stats NZ)

その国が移住者へ門を開いているか、閉じているか

海外移住にはこのタイミングも大切となってきます。

自分はどうなのかというと、時期を考えて移住したわけではありません。

しかし、今も現地で生活できているのは、

『ずっと前に永住ビザを取得しておいたことが大きい』

と言えます。

経済が不安定になる今後は、移住先の状況を十分に考慮すべきです。

移民の受入れ(ビザ発給)が増えるタイミングを見計らうことも、移住計画を成功させる上で大切な要因の1つになると考えています。

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