【経済】利下げも効果なし!NZの不景気突入が避けられない2020年

ニュージーランドが不景気になる予兆はすでに出始めており、その点については過去記事でも書いている通りです。

サプライズとなったNZ準備銀行の大幅利下げ 先日、ニュージーランドドルが70円を割った時に、さらに下落することをブログで予想してい...

そこで気になるのは、

いつ不景気入りするのか

ということです。

経済対策の効果が現れてこない

現地大手のウエストパック銀行のエコノミストは、2020年のGDP成長予測を以下のように引き下げました。

<2020年GDP成長予測>

3.1%→2.3%へ引き下げ

さらに、今年(2019年)中に失業率が再び上昇するとも予測しており、経済の専門家たちは、

不景気がすぐそこまで来ている

と考えているようです。

それに対し、国もこれまで対策をしてこなかったわけではありません。

・ニュージーランド準備銀行の利下げ

・政府の財政支出の増加

これらにより景気は下支えされ、今年(2019年)後半から経済状態は改善されるはずでした。

ところが、経済活動は抑制されたままで、今のところ改善の兆しがみられません。

2019年下半期のGDP成長率は『わずか0.5%』にとどまっています。

焦り出している金融トップの発言

(出所 interest.co.nz)

思い切った利下げをしたニュージーランド準備銀行(RBNZ)もGDP成長予測を以下のように下方修正しています。

当初の予測現在の予測
2019年6月0.7%0.5%
2019年9月0.9%0.6%
2019年12月0.8%0.7%

RBNZのオア総裁は経済の急減速を防ぐため、企業・個人・政府に対して、

『この状況に目覚めてください、消費をして経済を支えてください』

と発言するほど、景気の先行きを懸念しています。

NZ輸出額3位の成長産業『林業』

ニュージーランドの輸出品目トップ3は、

1位 乳製品

2位 畜産加工品

3位 木材(36億ドル)

1位と2位は知っていても、3位の『木材』を知っている人はそれほど多くないと思います。

ニュージーランドの人工林は、広い面積があるわけではありません(日本の約7%)。

にもかかわらず、国の輸出品目として存在感があるのは、

木(ラジアタパイン)の成長速度が驚異的に早いため

日本で植林されているスギやヒノキが伐採できるまでにかかる時間は、50年〜60年と言われます。

一方、ニュージーランドで主に植えられているラジアタパインは、約30年(樹高35mほど)で収穫が可能です。

日本の木材と比較しても約2倍のスピードで育つため、この国の林業は、

『投資効率(コスパ)が良い優良産業』

としての地位をもち、中国からの旺盛な需要もあって成長を遂げてきました。

中国経済の減速の大きな影響

ところが、NZ最大の輸出先である中国の経済が減速。

輸出額トップの『乳製品』を製造するフォンテラ社は、昨年度、同社初の損失(1億8600万ドル)を計上したのに続き、

今年度の損失が5億9千万ドル〜6億7900万ドルになる

と発表しました。

フォンテラは日本でいうところの『トヨタ以上の存在』で、この国の経済を支える大切な企業。

フォンテラの損失が拡大することは、間違いなく国の景気に暗い影を落とします。

そして、中国経済の影響は、ニュージーランドの成長産業である『林業』にも及び、

需要が減ったことで、丸太価格は15%も大幅下落

林業にたずさわる、およそ1000名の職が脅かされる事態となっています。

NZでも広がる経済格差

不景気になると浮き彫りになるのが『経済格差』です。

ニュージーランドで”ビリオネア”と呼ばれる人々の資産は以下のように増えています。

NZドル日本円換算
2018年810億ドル約5.3兆円
2019年900億ドル約5.9兆円
増加額90億ドル約6千億円

たった1年で11%(6千億円)も資産が増加

お金がお金を生むサイクルによって、資産家は働かなくてもどんどんリッチになっていきます。

賃金が上がっても住居費の高騰で生活が大変

一方、普通の人たちは生活に苦しんでおり、その主な原因を作っているのが、

『住宅費の高騰』

”持続不可能”な住宅市場をもつ国として、カナダとともに挙げられているニュージーランド。

賃金は上がっていますが、住宅費も上がっているので経済的なゆとりが持てません。

それによりオークランドの平均世帯の可処分所得は、

2008年から2018年にかけて5000ドルも減少

この10年で家計はかなり苦しくなっています。

過去1年の労働者によるストライキは前例がないほどで、最大18%もの大幅賃上げを求めました。

<過去1年でストライキを起こした業界>

看護師、教師、医師、輸送、小売 etc

まとめ

経済の専門家らによると、近い将来ニュージーランドが不景気に入るのは間違いないようです。

今年(2019年)後半の景気が下向きになることはすでに予測されていて、問題は来年。

中央銀行総裁は消費を喚起しようと必死です。

しかし、中国経済の影響を受けてNZの輸出品需要が減っていることで、

・国内最大手企業の赤字

・産業界の人員カット

など、悪いニュースも出ており、消費はさらに冷え込むことも考えられます。

そして、不景気なるほど浮き彫りになるのが、

・一握りの富裕層が富を増す

・その他大勢は生活に苦しむ

という経済格差でニュージーランドも例外ではありません。

賃金が上昇しても高騰する住宅費で打ち消され、生活にゆとりをもつことができなくなっています。

労働者の不満がたまっていることを反映し、ストライキは前例がないほど発生。

来年の総選挙で、経済政策に大きな違いがある2大政党のどちらを国民は支持するのか。

【労働党】経済成長よりも福祉・社会保障を優先する政策

【国民党】海外からの投資を呼び込み経済成長を促す政策

2020年は、NZ経済の分岐点になりそうです。

【参考情報】Scoop Independent News

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