NZ人の6割が加入するキウイセーバーっていったいどんな制度?

キウイセーバーっていったい何?

キウイセーバーとは、ニュージーランド国民(永住権保持者含む)のために、2007年から開始された個人向け年金制度です。

ニュージーランドは他国と比べて、貯蓄率が非常に低いことが問題でした。

キウイセーバーが開始される前(2006年時点)の貯蓄率はOECD諸国の中で最低レベル。

国民の貯蓄率を上げ、退職後の生活や家を買うための購入補助を目的に、労働党政権(当時)によって設立されました。

加入するための条件は?

キウイセーバーへの加入は任意です。

以前は加入条件に65歳未満という年齢制限がありましたが、法改正により2019年7月より65歳以上でも加入できるようになりました。

Kiwsaver加入条件
NZ国民または永住権を保有していること
NZに居住していること
65歳以上も可能に(2019年7月1日〜)
主婦、学生、18歳未満の未成年でも加入可能
未成年の場合は保護者の同意が必要

キウイセーバーによると、2018年6月時点の加入者数は、10年前(約110万人)から約2.6倍増えて約290万人となっています。

国民の約6割が加入しており、加入者数は上記の通り右肩上がりで増えている状況です。

加入するとどんなメリットがあるの?

65歳になると政府からもらえる年金とは異なり、キウイセーバーは掛け金がある積立型年金です。

所得の一部を長期間にわたり積立をしながら貯蓄を増やしていくのですが、その際、政府または勤務先の会社から補助を受けることができます。

政府からの補助を得る

各個人の積立額によって、毎年$521を上限に政府も積み立てしてくれます。

満額($521)をもらうためには、2つの点で注意が必要です。

1.加入期間が1年以上あること

キウイセーバーの加入期間計算は、7月1日から始まり翌年の6月30日で1年となるので、今日(9月10日)加入しても来年は満額支給になることはありません。

たとえば、加入期間が「半年」での満額支給は、$521の半分となります。

2.個人の積立額が$1,043以上あること

満額支給を得るには個人の年間積立額が$1,043以上あることが必要です。

週当たり$21を積み立てれば良い計算になります。

積立額が$1,043未満の場合は、その額に応じた金額が政府から補助されますが、せっかくなら満額をもらいたいところです。

6月30日までに不足分を追加積立をすれば満額支給を得ることが可能です。

しかし、ギリギリになってからだと間に合わないこともあるそうなのでご注意ください。

会社からも補助を得る

サラリーマンとして勤務されている方がキウイセーバーを利用すると、給与の3%(任意で4%、6%、8%選択可)が天引きで積み立てられます。

そこに会社が給与の3%を追加で積み立ててくれるので、ありがたい制度です。

初めての家の購入資金にできる

キウイセーバーで貯めたお金は、原則的に65歳になるまで引き出せません。

ただし、ある場合には例外になる制度があります。

それが、初めて家を購入する際の資金として使う場合で「ホームスタート」と呼ばれる制度です。

ホームスタートを利用するためには下記のような条件があります。

ホームスタート利用条件
Kiwisaver加入期間3年以上
利用目的初めての家を購入(投資用ではない)
Kiwisaver残高引出し後$1,000以上あること
世帯年収$85,000以下(単身)
$130,000以下(カップル)

この制度の良い点は、積み立て期間中に貯めたお金を引き出せるだけではありません。

規定の条件を満たせば、中古住宅で最大1万ドル、新築で最大2万ドルまで、国からの頭金支援を受けることができるのです。

さらに、住宅購入時の頭金が、政府のウェルカムホームローンを使うと10%(通常は20%)にすることができます。

住宅ローンを組むには諸条件があり、また個人の状況によって変わりますので、必ずローンが組めるというわけではありません。

ただ、20%の頭金が10%になれば、家を買えるチャンスは格段に大きくなります。

該当する人はこの制度を活用する価値大です。

積立られたお金は運用されている

キウイセーバーのお金は、銀行預金のように積み立てられるのではありません。

プロバイダーという民間業者が株、不動産、債券等に投資し、運用することになります。

投資する、ということは、積み立てたお金が減ってしまうリスクがあることを意味します。

投資に慣れていない日本人はこの時点で足踏みしてしまうかもしれません。

しかし、一般的に投資は長期になるほどリスクは減り、むしろお金が増える可能性が高くなります。

長期運用は退職後の資金を貯める方法としては適しており、だからこそ国も推奨しているのだと思います。

どうやって運用先を選べば良いか

さて、問題は積み立てたお金の運用先です。

運用先は自分で選べるのですが、プロバイダーの数だけで数十社もあります。

さらに、各会社が運用している投資ファンドがたくさんあって、どれを選べば良いか迷ってしまいます。

まずは、自分なりの基準を確認することが第一。

1.自分がリスクをどの程度受け入れるのか

2.どのくらいお金を増やしたいと思うのか。

この2つをよく考えた上で、運用タイプを選択します。

運用タイプリスク許容度と必要リターン
ディフェンシブ運用リスクは最小限。お金は極力減らしたくない
コンサバティブ運用リスクは抑えめでお金は少し増えれば良い
バランス運用リスクは多少あってもお金が増えたらいい
グロース運用リスクは承知で積極的にお金を増やしたい

この時に注目すべき点は、株式で運用する割合の高さです。

株式運用比率が低いほどディフェンシブ(防衛)型、高ければグロース(成長)型となります。

これは、株式運用が他の運用方法に比べて、変動幅が大きいということで、株式投資が必ずしもハイリスクというわけではありません。

運用方法によってどのくらい差が出るの?

運用方法によって将来受け取る可能性がある金額をわかりやすく表示してくれるのが、プロバイダーのGenerateのホームページ

下記のデフォルト設定の人物がキウイセーバーを続けたとして、65歳になった時いくら貯まっているかを表示します。

デフォルト設定の場合
年齢30歳
職業会社員
年収$55,000
Kiwisaver残高$15,000

65歳時の想定積立金額
ディフェンシブ型$207,000
コンサバティブ型$319,000
バランス型$491,000
グロース型$765,000

ディフェンシブ型とグロース型では3倍以上の差が出ることになります。

ただ、これはあくまで想定値ですので、必ずしもこのような差が出るわけではありません。

また、金額が多ければ良いということではなく、退職時に自分がいくら必要かを考えた上で、検討すべきことでしょう。

Sortedのキウイセーバーファインダーを使うと、各自の運用期間やリスク許容度などから、その人にあったキウイセーバーファンドを探してくれます。

興味のある方は試しにチェックしてみても良いかもしれません。

最大限キウイセーバーを活用するためには

65歳を迎えると、積み立てたキウイセーバーのお金は一括で引き出すことができます。

長く積み立てているほど金額が大きくなりますので、このタイミングで住宅ローンを完済して、余分が出れば貯金や投資に回したり、その他の用途に使うことができます。

さらに年金受給も始まるので安心してリタイヤできる、ということになります。

キウイセーバーの恩恵を最大に受けるためのポイントは早く始めることに尽きます。

65歳未満であれば誰でも加入できて、特典も多い制度です。

リタイヤ後のことが気になる方だけではなく、まだ始めていない方は検討すべきでしょう。

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