高齢化が進むNZでハッピーリタイアするためにはいくら必要か?

このブログを書き始めて約2年。

これまで最も読まれた記事の1つが、初期に書いたこれです↓

https://nzkanko.com/kiwisaver/kiwisaver

この記事にアクセスが続く理由を自分なりに考えて、出た答えは以下の2つ。

①キウイセーバーについて、日本語の解説情報が少ない

②老後資金について、不安に感じる人が少なからずいる

このうち、気になるのは②のほうです。

NZが超高齢社会へ突入するのはいつ?

日本では、老後資金や年金などの話題は、

【政治】炎上しやすいから取り上げにくい

【国民】なるべく現実から目をそむけたい

(出所 ダイヤモンドオンライン)

日本から海外へ出てしまうと、こうしたことにはさらに疎くなりがちです。

ただ、いずれ誰もが直面する課題なので、早めに対策をしておいた方が間違いありません。

NZも日本のように高齢化が進んでおり、65歳以上の人口は右肩上がりに増えています。

高齢者割合が増えるにつれ、社会は以下のように分類されます。

65歳以上割合分類
7%以上『高齢化』社会
14%以上『高 齢』社会
21%以上『超高齢』社会

Stats NZの統計予測では、NZは2028年に高齢化率が20%に到達し、

10年後(2030年代)からは『超高齢社会』となる

(出所 Stats NZ)

増え続ける高齢者人口とともに社会保障費が増大し、財政を圧迫するのは確実です。

この状況を見越して、

現在のNZの年金制度は、持続不可能

そう主張する政党もあり、年金支給開始年齢の引き上げなどをはじめとした『公的年金改革案』が議論されています。

(出所 Stuff)

その結果がどうあれ、個人としては不利な条件になることを想定しておく方が間違いないと考えています。

貯金に年50%の利息をつけてくれるNZ政府

公的年金の受給ハードルが上がるのであれば、個人年金での対策が必要となります。

NZのキウイセーバーは年間1042.86ドルを積み立てるだけで、政府から521.43ドルの補助を受け取ることができる個人年金積立制度です。

感覚的にわかりやすく説明すると、

年間10万円を貯金すると、政府が毎年5万円をくれる

そんな感じです。

1回だけの特別定額給付金(10万円)が大きな話題になる日本と比べると、格段の隔たりを感じます。

ただ、そこまでして政府が個人に老後対策をさせようとする理由の1つは、

近い将来確実に訪れる『超高齢社会』に備えるため

キウイセーバーが開始された2007年は、NZはまさに『高齢化社会』に突入するタイミングでした。

それから約10年後(2018年時点)のキウイセーバー 加入者数は約240万人。

(出所 Financial Markets Authority)

キウイセーバーの加入者の大部分は現役で働く人々です。

NZの労働人口260万人から考えると、かなりの割合がキウイセーバーを利用して、老後対策(マイホーム購入含)に取り組んでいることがわかります。

65歳になった時いくら貯まるのか

キウイセーバーの積立金は初めての自宅購入費にも使うことができます。

一方、すでに自宅がある人や家を買うつもりがない人の場合、積立金を全く引き下ろすことなく65歳まで継続したら、いくら貯まるのでしょうか。

今年度からその予想額がキウイセーバーの年度末報告書に記載されるようになりました。

6月はちょうどニュージーランドの年度末です。

報告書を確認してみたところ、確かにその金額が載っていました。

短期・少額の積立ではそれほど貯まらない

僕がキウイセーバーを始めたのはNZへ移住した2年前。

積立条件は以下のような感じです。

【積立金額】月100ドル/年1200ドル
【積立期間】20年
【ファンド】グロースファンド

自営業なので、サラリーマンの方のように勤務先からの追加積立補助はありません。

今月届いたキウイセーバーの年度末報告書によると、65歳時点の予想満期額は、

【積立金額】$1,200/年 × 20年 = $24,000

【政府補助】$521/年 × 20年 = $10,240

【運用利益】$21,760

【満期金額】$56,000(予想)

妻も同様の条件で積立していますが、それを合わせても11万ドルほどです。

積立期間が短い上に積立金額も少ないため『妥当』と言える金額ですが、これだけで老後を乗り切るには全く足りません。

また、NZが年平均2%ほどの物価上昇が続いていることから、考慮に入れておくべきなのが、

将来の貨幣価値が今と同じではないこと

老後資金をキウイセーバー頼みにはしていませんが、おおよその受取金額を知ることで改めて考えさせられました。

NZでリタイヤするためにはいくら必要なの?

個人金融サービス『Squirrel』のサイトに、老後資金についての情報が掲載されていました。

現在、夫婦で受け取れる公的年金額は週600ドル。

一方、適度な暮らしを実現するのに必要になるのは週770ドル。

単純計算で『週170ドル』が不足することになります。

老後20年として、この不足分を個人年金でまかなう場合、必要な金額は、

およそ18万ドル

気をつけておかなければならないのは、これはあくまで”今”、リタイアした場合の想定額です。

年金支給年齢の引き上げや高くなる物価や医療費など、将来的には様々な不確定要素が加わります。

生活のダウンサイジングによって生まれる節約分を差し引いても、

20万ドル以上は必要と考えるのが妥当

日本でも『老後2千万円問題』なんてことが言われてますが、

社会保障が比較的充実しているNZでも状況はそれほど変わらない

そう言えると思います。

老後2千万円問題については、以前の記事で対策を考えてみました。

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NZでも同じような対策方法は可能で、早めに対策をしておけば、過度に老後を心配する必要はないはずです。

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まとめ

老後をどうやって乗り切るのか。

どこに住んでいても、早かれ遅かれぶつかる課題です。

NZではキウイセーバー(個人年金積立制度)に加入して、積立運用することが奨励されています。

その背景にあるのは、

確実に進んでいる高齢化

2030年代から『超高齢社会』へ移行するニュージーランド。

年金支給年齢の引き上げなどの改革案が検討されていますが、現在でも政府の公的年金だけで老後の生活を支えるのは厳しい状況です。

そのためNZに住み続けるのであれば、キウイセーバーで個人年金を作っておくことは非常に大切です。

老後にいくら必要なのかは個人差がありますので、一概には言えません。

ただ、キウイセーバーでいくら貯められるのかについては、今年度から予測値が出るようになったため参考になります。

その額だけで十分足りそうだと感じる人は問題ないでしょう。

一方、足りないという人の場合は、別の対策をとれば良いと思います。

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年度末の今、自分の将来設計を見直してみるのも良い機会かもしれませんね。

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