持ち家を買ってわかった日本では賃貸の方が楽に生きられる4つの理由

若い世代で進む『賃貸』から『持ち家』へのシフト

日本経済新聞の記事によると、若い世帯の住宅購入による借金がふくらんでいるようです。

(出所 日本経済新聞 2019年7月8日)

『持ち家を購入する借金だから別にいいじゃない?』

『住宅ローンの金利だって低いし』

そうかもしれませんね。

ただ、僕が20代や30代だったら日本で家は買いません。

そう考えるのには4つ、理由があります。

①維持費(修繕代・税金)がかかる

②家の価値が下がる(売れない可能性)

③目に見えない借金の負担

④住み替えがしにくい

『でも自分だって日本で家を買ってるじゃない』

そうですが、今、とても後悔しています。

『売れるものなら早く売ってしまいたい』

そう考えているほどです。。。

①維持費(修繕代・税金)がかかる

賃貸を借りると毎月、管理費や共益費がかかったりします。

ただ、これらの費用は、

・突然、◯十万円のように大きな出費はない

・毎月一定額なので固定費として計算できる

という特徴があり住み続けた場合の費用をある程度、予測することができます。

一方の持ち家。

賃貸のような管理費がなくなるので、一見、

『支出が減る』

そんな感じがします。

しかし、家を持てば何らかの修繕が発生するんです。

そしてその費用は直す箇所によってマチマチで予測できません。

・漏水など水回りの修理→2万円〜5万円

・給湯器の取り替え→20万円〜30万円

・外壁の塗り替え→70万円〜100万円

さらに細かいことをあげれば、以下のような修繕もあります。

・壁紙、網戸、障子の張り替え

・経年で壊れた扉の取っ手の付け替え

・床や壁の補修、塗装 etc

(これらはDIYして修繕費を節約してました)

賃貸だったら家の修繕は、たいていのことは大家さんに負担してもらえるでしょう。

持ち家の場合は、

『すべて全額自己負担』

また、家が古くなるほど修繕費(維持費)がかさむようになるのです。

そしてもう1つ、賃貸と持ち家の維持費として決定的に違うのが税金。

<持ち家にかかる税金>

・固定資産税(標準的な税率1.4%)

・都市計画税(0.3%)

ざっくりですが、一般的な住宅だと固定資産税の相場は

『年10万円〜15万ほど』

税金は毎年かならず払うので『維持費』として加味しておかなければなりません。

②家の価値が下がる(売れない可能性)

日本の不動産価値を担保するのは、

『土地』

その『土地の価値』が年々下落していることは以前の記事で書きました。

家はいくつか買ったけど人に貸していて、自宅として住む家はないから借家に住み続けている。 こう言うとほとんどの人...

47都道府県の中で、将来的に地価を維持できそうなのは、

『東京だけ』

局所的に見れば、人口が増えたり、不動産需要が高い自治体もあるでしょう。

しかし、日本では今、空き家が増え続けています。

(出所 日本経済新聞 2019年4月26日)

東洋大学建築学科の野澤教授の予測では、

14年後の2033年に、日本の空き家数は現在の2.5倍にあたる『約2150万戸』になるとのこと。

<空き家の数>

【2018年】846万戸

【2033年】2150万戸(予測)

つまり、日本の家は、

『ほぼ3軒に1軒が空き家となる』

そう予測されているのです。

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (野澤千絵著)

こうなったとき、住宅の価値はいったいどうなるのでしょうか。

購入した家を『最終的に売る』ことを出口戦略としている場合、

売却時の価値は厳しく見積もっておいたほうが良いかもしれません。

仮に、家を売却して得たお金でローンが完済できなければ、

その後は家がなくなり『借金だけ』が残るのです。

③目に見えない借金の負担

『賃貸するよりローンで家を買った方が毎月の支払いが少なくなりますよ!』

不動産仲介会社の営業マンは必ずといっていいほどこのセリフを言います。

確かに、住宅ローンの金利は過去最低レベルです。

フラット35(全期間固定型住宅ローン)で金利が1%を切るものも出ています。

しかし、忘れてはいけないことは、

『ローンで家を買う=大きな借金をする』

ということ。

賃貸から持ち家に移った後に変わったことは、住環境だけではありませんでした。

『借金があるという精神的な負担』

これが増えたのです。

また、妻の方にも会社で変化がありました。

【家を買う前】

『人手不足で辞められたら困るから丁寧に接しよう』

【家を買った後】

『もう会社は辞められないだろうから気を使う必要はないな』

・大変な仕事を押し付ける

・指示が命令口調になる

・有無を言わさず残業を頼んでくる

役職者や上司が足元を見るように態度を変え、人間関係が辛くなったそうです。

借金を背負うということは、

『精神的だけではなく、会社にも長期間しばられる可能性がある』

そういうことを意味することを実感しました。

④住み替えがしにくい

持ち家を買うときは、自分の好みだけではなく、

『会社から通いやすい場所』

みたいな基準でロケーションを選ぶことがあります。

ただ、転職したりすれば、

『以前の会社に通いやすいメリット』

これは消えて無くなります。

一生、同じ会社に勤めるのは難しくなっている時代です。

将来、転職や独立などする時は、

『もっと便利な場所に移りたい』

そう考えるかもしれません。

海外移住するときは、家をどうするかが問題でした。

幸い、賃貸需要がある町だったので、テナントさんを見つけてもらえました。

ただもし、家を貸せなかったら、移住を決断できたかはわかりません。

また、若い時に家を買うと、高齢になる頃には設備が古くなっています。

僕の両親も、台所をすでにリフォームしました(費用100万円ほど)。

ただ、その他にもまだやりたいこと(以下)があるそうです。

・お風呂とトイレもリフォームしたい

・物騒だから防犯対策がしたい

これらを解決するためには概算で200万円くらいかかります。

賃貸だったら、

『最新設備の物件へ引っ越す』

これで解決です。

まとめ

若い世代が家を買おうとしている背景には、

『住宅ローンの金利が、めちゃくちゃ低いから』

それだけではありません。

業績が伸びない日本の企業が、

・社宅

・賃貸補助

これらを減らしていることもあったります。

『持ち家の方が生活コストを節約できる』

計算機をはじき、そう考えた若い世代は住宅購入に走るわけですが、それによって

・人生の自由度が失われる

・結果的にコスト高となる

そうなってしまう可能性があります。

日本の賃貸住宅市場は常に、需要<供給 です。

将来的にもこのバランスは変わらないでしょう。

賃貸派の人々は、

・品質の良い賃貸に安く住める

・浮いたお金は資産運用して増やせる

そうすると、

・人生の自由度が増える

・結果的にコスト安となる

個人的にはこうした方が楽に生きられる気がします。

ただし、

『どうしても自分の家を持ちたい』

という人は持ち家に住むことが幸せになるので、今が住宅購入のチャンスかもしれませんね。

「持ち家」という病 不動産と日本人・「これまで」と「これから」の経済学(井上明義著)

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