日本人は貧乏!?ニュージーランドの物価が高いと悲鳴をあげる理由

NZの物価に悲鳴を上げる日本人旅行者

仕事柄、日本からニュージーランドに来られる人々と話す機会があります。

その時に必ず彼らが口にするのが「NZは物価が高いねぇ〜」という言葉。

品質が良く価格が安い日本の物価と比較すると、NZの商品や サービスが高く感じるのは仕方ないかもしれません。

ただ、僕は、日本とNZの物価を単純比較することに「違和感」を覚えてしまうのです。

日本の人たちは、ニュージーランドの物価が日本よりも高く感じる「原因」を考えないのだろうか、と。

物価が上がらないのが当たり前?の日本

ニュージーランドのインフレ率(物価上昇率)は、僕が初めてNZに来た17年前から今年までの平均値が年2%を少し超えるくらいで推移しています。

わかりやすく説明すると、2001年に100ドルで販売されていた商品があるとして、同じ物を現在買おうとすると140ドルになっている、ということになります。

ニュージーランドでは、17年前との比較で物価が「約40%」も上がっているわけです。

それでは、同期間で日本の物価はどう変化したのでしょうか?

インフレの逆、デフレ(物価が下がる)状態が続いた日本のインフレ率は、過去17年間で、平均0.14%ほどしかありませんでした。

2001年に1万円だったものは、今年1万300円になっているだけで、「物価はほとんど変わっていない」と言っても過言ではありません。

物価は上がらず、収入も増えず

これだけの差があることがわかっても、日本人で危機意識を持つ人はわずかだと思います。

それどころか「物価が上がらないのは喜ばしいこと」と考える方が多いかもしれません。

日本の物価が安い背景には、(人口減少や高齢化等)需要が伸びていかない社会で激しい価格競争にさらされている企業の並々ならぬ努力があります。

わずかな利益しか得られないのであれば、企業が固定費としてのしかかる人件費を抑えたいと考えるのは当然です。

先行きが不透明な時代、仕事で結果が出なくても首を切れない正社員の基本給を上げるのはリスクでしかありません。

働く側も立場が保証されていることや、転職しても収入を増やせる人が少ないことを知っているので、給料が増えなくても文句を言わずに働きます。

日本の労働者の収入が伸びていかないのは、ある意味「当然なこと」なのです。

世界の人々から安い国と感じられるようになった日本

近年、観光などで日本を訪れる外国人が大幅に増えています。

日本の観光地には魅力がたくさんあるのは確かですが、外国人旅行者が、日本の滞在費が安いと感じているのも大きな要因の1つです。

70代になった僕の父親は、30代の頃、アジア諸国によく旅行で出かけていたそうです。

当時、現地の物価がものすごく安かったので、数万円あれば豪遊できたと言います。

逆にアジア諸国の一般の人々が日本へ旅行するなんて、当時は(ビザの規制がゆるかったとしても)ほぼ不可能に近かったのではないかと思います。

しかし今、中国や東南アジアから富裕層ではない「普通の人々」が日本に旅行でやって来て、その中にはリピーターも多くいるような状況です。

もはやリッチな国民ではない日本人

この十年から二十年の間に、アジア諸国をはじめとした新興国の「貨幣価値」や「所得水準」は急速に上昇し、日本との差が大幅に縮小しました。

例えば、ニュージーランドの最低時給は現在16.50ドル(約1,240円)ですが、日本の最低賃金は全国平均で874円です。

わかりやすい数字として、単純に最低時給で比較しましたが、実際、世界の中では日本人が考えているほど、日本人はお金持ちではありません。

海外旅行に来れるだけの経済力を持った日本人が、NZのモノやサービスの価格を見るたびに「高い!高い!」を連発しているのがその証拠です。

欲しいモノを見つけても我慢して買わず、レストランに行っても食べたいものよりも安いものを注文する、なんて日本人が多いのが実情なのです。

いつまでも・続くと思うな・物価安

日本円での収入しかなく、日本円でしか消費しない人々は、自分が世界の中でゆっくりと貧乏になっていることに気づくことはありません。

海外旅行に出かけると、現地物価の高さに衝撃を受けるのですが、「やっぱり日本が安くて一番ね」なんて短絡的に結論づけて帰国していきます。

日本で消費されているモノの多くは海外からの輸入に頼っており、製造業の主要拠点となっている中国や東南アジアの物価や人件費は毎年上がっています。

当然、日本への輸入コストも上がる訳で、そこに円安がダブルパンチで加わったりすれば、企業努力だけでは対処できず、品質を落とすか、価格を上げるか、の二択になります。

サービスにしても運送業をはじめ、人手不足が常態化している業界の価格が上がることは避けられません。

日本人にとってなくてはならないコンビニの店員不足を、外国人労働者が将来にわたって穴埋めをしてくれるでしょうか。

母国が経済発展し故郷で稼げるようになれば、日本の安い時給で働くより帰国して働くことを選択するに違いありません。

日本の「物価安」がこれからも続いていく保証など全くないのです。

まとめ

世界の現実を見て見ぬふりをしているうちに、日本が経済的に衰退していく「茹でガエル」状態になるような気がしてなりません。

一方、ニュージーランドは人口が今後も継続して増えることが予想され、道路や住宅などのインフラ整備が進めば経済活動はさらに活発になっていきます。

また、国がコンパクトなのも時代の変化へ対応する上で有利に働きます。

日本でようやく動き出した感があるキャッシュレス化などは、NZではとっくの昔から始まっており現金を持ち歩く必要性をほとんで感じません。

小国ながら合理的な社会を築き上げているニュージーランド経済の伸び代は大きく、投資をする上では非常に楽しみな国です。

そして今後10年で、日本とNZ、両国の経済と人々の生活レベルには「埋めがたい格差」が生まれるかもしれません。

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