資産運用のプロが厳選した予想結果からわかる株式投資で大切なこと

新聞に掲載される株価予想

毎年、年末のニュージーランドヘラルドには、大手証券会社が選んだ「来年上がりそうなニュージーランド株」というテーマの記事(Broker’s Picks)が掲載されます。

今回のBroker’s Picksに参加した証券会社は以下のは8社です。

【2018年】Broker's Picks参加証券会社
First NZ CapitalCraig Investment Partners
ShareclarityHobson Wealth Management
Forsyth BarrFoster Stockbroking
MSL Capital MarketsHamilton Hindin Greene

証券取引を生業としている会社が「どの企業に注目しているのか」そして「なぜその企業に投資しようとしているのか」は個人投資家にとっても参考になります。

注目されている企業の株とは

まず気になるのは人気を集めた株。半数の4社が選んだのが、Mainfreight(MFT)です。

Mainfreightはニュージーランドを代表する物流企業の1つで、日本の会社で例えれば佐川急便といったところでしょうか。

会社のイメージカラーが青と白というところも佐川に似た感じがあります。

ニュージーランド国内だけではなく、グローバル(オーストラリア・アメリカ・ヨーロッパ・アジア)に事業展開しており、ここ数年は好調な世界経済の恩恵を受けて業績は良好です。

株価にも期待が現れており、2016年時点で15ドル前後だった株価は現在30ドルを超え、2年で2倍という驚異的な伸びを記録しています。

さらにさかのぼって、リーマンショック時の最安値(3.30ドル)と比較すると10年でテンバガー(10倍)を達成してしまいそうな勢いです。

Mainfreightの長期チャート(出典:Yahoo Finance)

この先株価はどうなるのか

しかし、長年続いた好景気も終盤となり、Mainfreightの株価にもそろそろ逆風が吹くかもしれません。

世界経済を支えているアメリカ経済が減速する可能性が高まっており、景気を先読みする株式市場ではその兆候が現れています。

創業40周年を迎えたMainfreightは、有能な経営陣のマネジメントにより右肩上がりで業績を伸ばしてきました。

しかし、世界的に景気が落ち込めば物流企業は直接的な影響を受けるため、Mainfreightの株価は短期的に低迷する可能性があります。

長期的な値上がりを期待するつもりであれば、株価が大きく下がったタイミングで買っておいても良いかもしれません。

中国経済に影響される企業

しかし、優良株ゆえに株価がどこまで下がるかは未知数です。

今回のBroker’s Picksで最も人気を集めたのは5社から支持されたA2 Milk(ATM)です。

巨大消費国である中国からの旺盛な需要によって業績を伸ばし、株価は過去3年で10倍以上に跳ね上がりました。

A2 Milkの長期チャート(出典:Yahoo Finance)

安心・安全なニュージーランド産乳製品の需要は高く、中でもA2 Milkの製品には独自の栄養素(A2プロテイン)が含まれており、ブランド価値を高めています。

業績は中国マーケットに大きく左右されることが懸念されます。しかしながら高品質な製品は利益率が高く、需要が衰えなければ今後さらに業績を伸ばすことも可能です。

NZらしい製品で勝負する企業なので投資したくなるのですが、無配当であることが玉にキズで僕の場合は投資対象から外しています。

有事の時はディフェンシブ株

次に、来年有望とされる企業として「ヘルスケア」や「インフラ」関連企業が前年より多く選ばれていることが気になりました。

ヘルスケア関連インフラ関連
Abano Healthcare(ABA)Contact Energy(CEN)
AFT Pharmaceuticals(AFT)Infratil(IFT)
Ebos Group(EBO)Meridian Energy(MEL)
F&P Healthcare(FPH)
Green Cross Health(GXH)

こうした株に注目が集まるのは景気が悪くなる予兆といっても過言ではありません。

その理由はこうした企業の業績は、あまり景気に左右されないから。

給料が上がらなくても体調が悪くなれば薬を買いますし、外食はなるべく控えるようにしても、日常生活に不可欠な電気代は毎月必ず払います。

A2 Milkのような飛び抜けたパフォーマンスを出すことはないので地味に見えますが、どんな時でも着実に売上をあげられるディフェンシブ株は不況時に人気を得ます。

配当利回りも高く、長期投資をする上ではポートフォリオに入れておきたいセクターです。

検証結果が物語るもの

Broker’s Picksは、各証券会社の昨年の予想がどのくらい当たったかを検証してくれるのも面白いところです。

下記は2017年末に2018年の株価予想(株価が上がりそうな5社を選ぶ)をした証券会社の予想結果です。

証券会社予想結果
Vulcan Capital+31.5%
Craig Investment Partners+21.2%
MSL Capital Markets+15.6%
Hobson Wealth Management+7.9%
Forsyth Barr-2%
First NZ Capital-2.5%
Hamilton Hindin Greene-16.8%

最も好成績をあげたVulcan Capitalの場合、選んだ5社のうち1つの株価(QEX Logistics)が+153%と飛び抜けて上昇したため、全体で30%超の高パフォーマンスとなりました。

しかし、残り4社の結果はマチマチで、QEXを除いた合計投資リターンは+4.3%と寂しいものでした。

さらに、Broker’s Picksに参加した7社うち3社の株価予想結果は「マイナス」となっています。

まとめ

何を言いたいのかというと、「株のプロ」による予測も「たいしてあてにならない」ということです。

大切なお金を投じるわけですから判断は人任せにせず、自分の頭でよく考えた上で投資すべきです。

また、短期間の投資がうまくいったとしても、同様の成績を継続することは非常に難しいことを覚えておかなければなりません。

株式投資では、「長期・分散・積立」という基本中の基本ルールを守ることが自分を守ることになるのです。

【元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法】柴山和久著

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