【悲報】老後の安心を夢見た賃貸経営が老後破産の危機になる実話

実家の近所に住む農家のオジサンがアパート経営を始めた、と母から聞きました。

オジサンは先祖から受け継いだ土地を駅前に持っており、そこに新築でアパートを建設したようです。

実家がある街は人口減少が止まらない、ザ・田舎。

駅前といってもあまり人を見かけることはなく、つぶれたコンビニの空き店舗は永遠に埋まりそうもありません。

駅が利用されるのは、ほぼ通勤通学時間限定で、電車の乗り降りは当然セルフ。

人口が少なくても賃貸需要を支えるような仕事(産業)があればまだいいのですが、それもない。

そして、周辺の賃貸アパートの家賃は3DKでも3万2千円〜と格安

この絶望的な荒野に、米作り一筋で生きてきた60代後半のオールドルーキーが挑むわけです。

僕が銀行員であれば、この事業には一円たりとも融資はしません。

いや、オジサンのことを考えれば、融資をしてはいけないはずです。

しかし、銀行は8000万円もの融資を実行してしまいました。。。

自ら爆弾を背負ってしまったオジサン

米農家として生きてきたオジサンが、なぜ、畑違いのアパート経営に踏み切らざるを得なくなったのか。

オジサンの立場になって考えてみました。

①農業からの収入減

米を作るにはトラクターやコンバインなどの農業機械、収穫後の格納倉庫や乾燥機などの大型設備が必要です。

それらを維持したり買い換えたりするのに、やたらとお金がかかります。

しかし、米の需要は30年前より約3割も落ちていて、増える気配はありません。

販売価格もガンガン下がっており、20年で半額まで下がってしまいました。

<60kgあたりの販売価格>
【平成 5年】23067円
【平成26年】11967円

米農家はいくら作っても儲からないアリ地獄にハマっているのです。

【平成30年 米をめぐる関係資料 農林水産省】

②国民年金はスズメの涙で農家も涙

米農家の多くは兼業農家でダブルインカムですが、オジサンは頑固一徹、専業農家でした。

現在65歳を過ぎているオジサンがもらえるのは国民年金です。

国民年金の平均月額はたったの5万5千円。

それに対し、総務省がはじき出した世帯主が60歳以上、無職世帯の1ヶ月の支出はおよそ24万です。

【平成28年・総務省 家計調査年報】

田舎での生活費に24万もかかるわけないだろう、と思う人もいるでしょう。

しかし、オジサンと同年代の親から話を聞くと、田舎では付き合い(冠婚葬祭含)も多く、これ以上かかる月だってあるそうです。

米は作っても儲からないどころか、設備投資で赤字になることだってあるのに、年金が全く足りてない。。。

生活はいよいよ苦しくなるばかりです。

③収入を約束してくれるという救世主が登場

パンチを浴びつづけ、コーナーに追い詰められたオジサン。

その前に突然、見知らぬ救世主が現れます。

薄壁建築工法でおなじみレオパ◯スと同業会社の営業マンです。

歩合給の営業マンはロックオンした高齢の土地持ちにたたみかけます。

駅前に所有されいる土地にアパートを建ててくだされば、当社が30年一括借り上げして家賃を保証いたします。

◯◯様には毎月家賃収入が入るだけじゃなく、相続対策にもなってお子様には資産を残すことができますよ。

現実離れした夢の世界へ導くキラートークです。

そしてオジサンの脳は、

①作った米は、ぜんぜん儲かない
②もらえる年金は、ぜんぜん足りない
③土地は売りたくても、ぜんぜん買い手がない。

というトリプルスリーによって支配されて、思考が停止しています。

そして、これが悪魔との契約になると判断できずに、契約書に捺印してしまったのです。。。

夢から覚めると地獄が待っていた

8000万円も借金すると、いくら低金利の日本でも毎月の返済は25万円から30万円くらいになります。

以前聞いた話では、家賃は5万5千円で8部屋のうち2部屋しか埋まってないとのことでした。

収入は、経費を差し引く前で11万円しかないので大赤字です。

今後、オジサンはサブリース部門の担当者から様々な交渉を迫られ、悪夢を見ることになります。

①家賃保証期間の見直し、そして短縮。
②入居率改善のための家賃の値下げ要求、そして減収。
③サブリースを解約されたら入居者が引越し、そして空室増。

2度目のトリプルスリーを達成です。

オジサンは借金の保証人となった娘ムコとともに眠れない日々を過ごすことになるでしょう。

人まかせのビジネスだったらやるべきではない

家賃保証なんかで客を釣る会社に騙される人が多いのは、不動産賃貸業がイージーなビジネスだと思い込んでいるからです。

物件さえ用意すれば、そのうち部屋が埋まって家賃が自動的に入ってくるでしょ、くらいの軽さ。

日本は賃貸アパート天国で、不動産大家からすればライバル地獄です。

地域の需要と賃貸物件数、家賃相場、空室状況など最低限の情報を調べるだけで、こりゃ手を出したらヤバイやつだ、とふつうにわかるはず。

そもそもアカの他人が儲け話を持ってくるのは、あなたをダシに使って美味しいスープを飲もうとしてるだけなのが、ナゼわからないのか。

アパートは定期的にメンテナンスが必要になり、部屋が埋まるのとは関係なくお金が出て行きます。

さらに収入が減って、ローンの支払いが滞れば、先祖代々の土地や守ってきた田んぼも銀行に持っていかれるでしょう。

まとめ

不動産賃貸をする上で最も恐れるリスクの1つが空室です。

しかし、空室は当然あるべきリスク。何十年も家賃を保証できるはずがありません。

テレビCMしてる有名会社が言うんだからと、安易に信用してしまうとカモられます。

リスクがないということを信じるのが大きなリスク、なのです。

阿部寛さん主演でドラマになった「ドラゴン桜」。

落ちこぼれの高校生が現役東大合格を目指すストーリーは、主人公の桜木先生が負け犬根性の生徒たちへ発した言葉で始まります。

負けるってのは、だまされるっていう意味だ。

お前らこのままだと一生だまされ続けるぞ!

ドラマではなくリアルな世界でだまされた人を見ると非常に怖いものです。

【ドラゴン桜 三田紀房著】
落ちこぼれ高校生が現役東大合格を目指す学園ドラマ。受験勉強を通じて現実世界の厳しさを高校生たちに教える桜木先生の言葉は大人にとっても非常に役立ちます。

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