パンデミックを防げ!NZで疑わしい症例の留学生が隔離される

感染者増加ペースが加速している

新型コロナウィルスの発生源となった武漢があるのは、中国の内陸部にある湖北省。

香港やシンガポールなどは湖北省からの渡航者を入国させない措置を発令。

オーストラリアは湖北省に滞在している自国民を退避させ、クリスマス島(豪州領)で検疫検査をすると発表しました。

日本もチャーター機を中国に飛ばし、武漢に滞在していた邦人を帰国させています。

各国が対応を急ぐのは感染者の増加ペースが加速しているためで、米英の研究チームによれば、

2月4日までに武漢の感染者は最大35万人超になる

という信じがたい予測を発表しています。

(出所:Yahooニュース)

感染拡大を食い止められるかの分かれ道

世界で確認されている新型肺炎の感染者数は、

【1月26日】2,000名超

【1月29日】5,900名超

たった3日で3倍に急増してしまいました。

中国が大きな割合を占めているものの、新たに中東でも感染者が見つかるなど、地理的な拡大も見られます。

感染者数
日本7名(1月28日時点)
オーストラリア6名
カンボジア1名(1月27日時点)
マレーシア7名(1月26日時点)
ネパール1名
シンガポール7名
韓国4名(1月27日時点)
スリランカ1名(1月27日時点)
台湾8名
タイ14名(1月27日時点)
ベトナム2名
カナダ2名(1月28日時点)
アメリカ5名
フランス4名
ドイツ4名(1月29日時点)
アラブ首長国連邦1名(1月29日時点)

感染症の流行はその規模に応じて、大きく三つに分類されます。

名称説明
エンデミック特定の人々や地域でみられる。感染拡大ペースが遅く『流行以前』の状態
エピデミック特定のコミュニティで一定時期広がる。規模が拡大すると『アウトブレイク』と呼ばれる
パンデミック国中や世界中で感染が広がる状態

中国国内はすでにパンデミック状態と言っても良いと思いますが、その他の国や地域ではまだパンデミックに至るアラート(警鐘)期です。

感染拡大を封じ込めるにはアラート期の対応が非常に重要で、求められる対策は以下のようなことになります。

【世界保健機構(WHO)が定めたフェーズ4の対応】

①『感染者の隔離』など物理的な対策を積極的に講じる

②感染拡大した場合に備え『ワクチン開発』に力を入れる

湖北省からの留学生が念のため隔離される

今週火曜日(1月27日)に中国・湖北省からオークランドに到着した中国人留学生に咳の症状がみられたことから、現在この学生は市内の病院で隔離されいるとのこと。

感染者かどうかの判定にはまだ時間がかかるようですが、公衆衛生局のマケルナイ博士によれば、

『疑わしい症例の定義を満たしている症例はない』

念の為に隔離したのかもしれません。

ただ、懸念されるのは中国出身の留学生が非常に多いことです。

寮の管理会社が、現在隔離されている留学生が咳をしていることを報告した際、当局に尋ねられたのは、

テスト結果が確認ができるまでにかかる間(最大で約2週間)、留学生を寮にとどめておくことができるか

管理会社は、

・寮には数百人もの学生が宿泊していること

・一人の留学生の世話を24時間体制ですることは不可能

ということで病院で対応してもらうことを依頼したそうです。

現状でも感染症患者に対応する施設やスタッフが十分そろっているわけではありません。

疑わしい症状の人が増えた場合、隔離して治療するにも限界があります。

コロナウィルスによる二次的な被害

心配の種は、ウィルスによる直接的な健康被害だけではありません。

中国の人たちに外見が似ているアジア系。

人々の見る目に変化が生まれても不思議ではなく、アジア人が公共の場で咳やくしゃみなどすれば、周囲はどう感じるでしょうか。

僕自身、風邪を引いているわけでもないのに、見知らぬ風貌の悪い男から

『バイラス(ウィルスの意味)』

とからかわれました。

気にしすぎかもしれませんが、人が多い場所に行くと咳払いひとつするのも気をつかってしまいます。

肩身の狭い思いが続くのは嫌なので、この問題が早く収束してもらいたいと願うばかりです。

ワクチンができるまでにかかる時間

この問題の救世主となりえるのが、感染拡大を阻止できるワクチン。

ウィルスに効くワクチンを作るには、まず研究用として使用するためウィルスを培養して増やさなくてはなりません。

昨日(1月29日)、オーストラリアのピーター・ドハーティー感染・免疫研究所がコロナウィルスの培養に成功したと発表しました。

これを受けアメリカの国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は、

3か月以内にワクチンの効果や安全性を確かめるための臨床試験を始める

と述べています。

今後、世界中の研究機関や医薬品メーカーなどがワクチン開発に乗り出していくわけですが、懸念材料もあります。

【ワクチン開発の懸念材料】

・ワクチンができる保証がない

・ワクチンができたとしても完成までの時間が見通せない

感染拡大を手をこまねいて見ているわけにはいかないWHOは、以下のような措置も検討しているとのこと。

【WHOが検討している措置】

・MERS用に開発中のワクチンがコロナウィルスに効果がないか

・SARSに効果があったエイズ用の薬を感染者に投与するか

効果が出れば、問題解決の糸口になるかもしれません。

まとめ

新型コロナウィルスの感染者は、中国で猛烈な勢いで増え、世界でも拡大の予測がつかないほどです。

ただ、感染者が少数にとどまっている時点では、封じ込める有効策は残されており、その一つが

感染者を隔離すること

ニュージーランドでは、疑わしい症例を発症した中国人留学生を隔離する対策が取られました。

留学生が増えるこの時期、学校や学生寮だけではなく、ホームステイのホストファミリーも万一の対応に不安を抱えています。

今後、感染者が出た場合、施設や医療スタッフの確保にも限界があるため、単純に隔離すれば良いという問題ではありません。

また、直接被害だけではなく、二次的な影響として想定されるのが、

人種による偏見

アジア系の人々は周囲からどう見られているかを気にしてしまうほど、今回の新型ウィルスは強い影響を及ぼしています。

問題の解決策となりうるワクチンの開発は開始されているものの、完成がいつになるのか未定です。

コロナウイルスがNZに上陸するのはもう時間の問題かもしれません。

ただ、たとえそうなったとしても、必要以上に恐れることはありません。

・病気に負けない『免疫力』

・偏見やくだらない中傷を気にしない『メンタル』

これらがあれば大丈夫です。

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高速大量輸送、人口爆発の21世紀において、さまざまな感染症がパンデミック(感染爆発)の危険性をはらんでいる。

それぞれのウイルスにはどんな特徴があるのか?

近年の流行はどのように起こったのか?

そして、これからどんな危機がありえ、それを未然に防ぐために私たちは何をするべきなのか?

このままでは、人類総倒れ。生き延びるために知っておくべき、必須の知識を授ける。

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