再エネ率100%を目指すNZ!日本の技術が活躍するエコ発電とは

ニュージーランドの労働党が2017年の政権発足時に打ち出した目標が、

2035年までに電力供給源を100%再生可能エネルギーにすること

あと15年余りとなりましが、果たしてそんなことが可能なのでしょうか。

その前にまず、他の先進国の状況を確認してみたいと思います。

先進国の再生可能エネルギー割合

先進各国でも再生可能エネルギーの活用に取り組んでいますが、総発電量の内、どのくらいを占めているのでしょうか。

2015年時点での再エネ比率は以下のようになっています。

国名再エネ比率
アメリカ13.6%
日本15.3%
フランス16.3%
イギリス25.9%
ドイツ30.6%
スペイン35.3%
イタリア39.8%
カナダ63.8%

(参考 インズウェブ SBI Holdings)

日本の再エネ率は徐々に増えていますが、それでも15%に過ぎません。

約8割を化石燃料での発電に頼っている状況です。

<日本の発電割合(2016年度)>

天然ガス44%
石炭33%
石油その他9%

(参考 インズウェブ)

ニュージーランドの再エネ割合は?

では、ニュージーランドの再エネ率はどのくらいなのでしょうか。

82%(2017年)

2007年に当時のヘレン・クラーク首相が掲げた目標は、

『2025年までに再エネ率90%』

毎年1%くらいずつ上げていけば、目標に到達できそうなところまで来ています。

次に再生可能エネルギーの種類と割合をみてみましょう。

ニュージーランドの主な再生可能エネルギー発電方法は以下の3つ。

水力55%
地熱20%
風力5%

※その他(太陽光・バイオ燃等)

水力発電にかなり頼っている点が気になりますね。

再生可能エネルギーの弱点は発電量が天候に左右されること

しばらく雨が降らならなかったりすれば、水力発電量は制限されてしまいます。

電気を安定供給できる再生可能エネルギー

再生可能エネルギーの中で、気候・季節・昼夜に影響されず、安定的に発電できるものがあります。

それが『地熱発電』です

あまりなじみがない発電方法ですね。

簡単に説明しますと、まずは火山活動が活発な地域にある広い土地を探します。

深さ数kmくらいの井戸を掘っていくと、高温(温度600℃〜1200℃)のマグマ近くにある地下水に到達。

熱せられた地下水は蒸気となって噴出するので、その力を利用してプロペラタービンを回し発電する、という感じです。

井戸を掘る→高温の地下水に当たる→蒸気が噴出→タービンを回す→発電

ニュージーランドのような火山国であれば、地下に豊富な資源があるのと同じで、これを使わない手はありません。

地熱発電のメリット

クリーンエネルギーとして地熱発電に脚光があたっていますが、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

①365日24時間稼働できる

すでに書きましたが、水力や風力発電のように天候や季節に左右されることはありません。

また、太陽光のように『日中しか発電できない』ということもないのがメリットで、設備利用率では6倍以上の差が出ます。

<設備利用率>

太陽光発電12%
地熱発電80%

②二酸化炭素の排出が少ない

化石燃料での発電は安定的に電力を供給できますが、二酸化炭素を多く排出してしまいます。

一方、地熱発電であれば、

発電時の二酸化炭素排出量はほぼゼロ

環境にとても優しい発電方法と言えます。

③発電コストが安い

地熱発電は、発電するために燃料を必要としません。

初期投資はかかりますが、ランニングコストは安く、低コストで電気を作り出すことができます。

太陽光発電と比べても地熱発電の発電コストは1/3〜1/4ほど

<太陽光発電との発電コスト比較>

太陽光発電30.1~45.8円/kWh
地熱発電9.2~11.6円/kWh 

NZは世界で2番目に地熱発電所を操業

(ワイラケイ地熱発電所  画像:Wikipedia)

世界で初めて地熱発電所を稼働させたのはイタリアで、次がニュージーランド。

戦争でたまたまイタリアに出兵していたニュージーランド兵が、地熱発電の経験を母国に持ち帰って、NZ初の地熱発電所を操業させたそうです。

世界初の地熱発電所(イタリア)は残念ながら第二次世界大戦で焼失してしまいました。

ですので、世界最古の地熱発電所となるのはニュージーランドにある、

『ワイラケイ地熱発電所』

操業開始から60年以上経つ今も現役で活躍しており、敷地内には観光客も入れて自由に外観を見学できるようになっています。

日本の技術がニュージーランドで活躍中

(ナ・アワ・プルア地熱発電所   画像:富士電機)

世界でも最も高い地熱発電所の技術を持つ国は日本。

プラント製造の世界シェアは日本企業が7割を占め、ニュージーランドの地熱発電所でも日本企業の技術が活躍しています。

<日本企業が関わったNZの地熱発電所(一部)>

名称企業名
ナアワプルア地熱発電所富士電機
カウェラウ地熱発電所富士電機
ポイピピ地熱発電所富士電機
オハキ地熱発電所富士電機
モカイⅡ地熱発電所三菱重工
テミヒ地熱発電所東芝

日本で地熱発電がいまいち普及しない理由

日本には活火山が100ほどあり、

地熱資源はなんと『世界3位』

さらに高い技術力を持っているので、地熱発電をするための条件がそろっています。

ところが、地熱発電が占める発電量の割合は、たった0.2%しかありません。

これはいったいなぜなのでしょうか。

理由は大きく2つあります。

①国立公園の敷地内

1つ目の理由は、

地熱資源がある場所の実に8割が『国立公園内』だったこと

政府の方針で国立公園内に地熱発電所は作ってはいけないということになっているのです。

②温泉地の反対

もう1つの理由は、

温泉地周辺で地熱発電所ができると温泉が枯れてしまうのではないか

そう心配した地元の人々による反対運動が起きることです。

日本の地熱発電は50年の歴史がありますが、これまで地熱発電所によって温泉が枯れたことは一度もありません。

心配いらないことを専門家がいくら説明しても、地元の反対はなかなか覆せないのだそうです。

電力需要が増えても再生可能エネルギーで賄う

ニュージーランドは人口が増え、経済も右肩上がりに伸びています。

この傾向はこれからも続くため、それに対応するエネルギーを確保していて行かなくてはなりません。

エネルギーの中でも『電気』については、

・電気自動車の普及

・産業界による化石燃料から電気へのエネルギーシフト

こうしたことが起きるため、電力需要は大幅に伸びることが予測されています。

大手電力会社のトラストパワーは将来の電力需要を以下のように推計しました。

<エネルギー全体のうち電力が占める割合>

2016年25%
2050年61%

<エネルギー全体のうち化石燃料が占める割合>

2016年42%
2050年11%

各電力会社はすでに先行投資を始めています。

中でも地熱発電に力を入れているコンタクトエナジーは、新たな地熱発電所の建設のための掘削調査を開始する予定です。

日本の技術がまたニュージーランドで活躍するかもしれませんね。

まとめ

今年の夏も日本では大雨や台風に見舞われ、多くの被害が出ました。

温暖化の影響が考えられ、環境問題は待った無しで取り組む課題となっています。

環境先進国のニュージーランドが目指すのは、

2035年までに100%再生可能エネルギーで発電すること

再エネの弱点は気候に左右されてしまうことですが、日本の技術が活用された地熱発電はその問題の解決策となるかもしれません。

また、将来的に電力需要が大幅に増加することが見込まれ、電力各社は先行投資を増やしています。

NZの電力会社へ投資をすると、株価は比較的安定していて高配当です。

株式投資でニュージーランドの環境対策に貢献するのも良いかもしれませんね。

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