訪れるべきマオリの聖地!NZ世界複合遺産のトンガリロ国立公園

ニュージーランド北島中部にある、トンガリロ国立公園。

ユネスコの世界複合遺産に登録されているので、

『行ったことはなくても名前だけは知っている』

そういう人も少なくないと思います。

これから観光シーズンを迎えるニュージーランド。

有名スポットにちょっと詳しくなっておくと、旅行をさらに楽しめると思います。

今回は年間100万人が訪れるトンガリロ国立公園をご紹介します。

マオリ語の名前がつけられた3つの活火山

トンガリロ国立公園は広大で、面積はおよそ800キロ平方メートル。

日本の京都市(827キロ平方メートル)に匹敵するほどの大きさがあります。

国立公園の中心あたりにあるのがマオリ語で名前がつけられた3つの山(下記)。

山の名前高さ最後の噴火名前の意味
トンガリロ山1,967 m2012年南からの冷たい風
ナウルホエ山2,291 m1977年投げられた熱い石
ルアペフ山2,797 m2007年爆発する穴

トンガリロ山

先住民族のマオリ族から信仰の対象として崇められる山。

2012年の噴火は115年ぶりと言われるほど大規模なものでした。

噴煙の高さは6000m以上に達し、国内線の欠航や道路の封鎖などの影響も出たとのこと。

ナウルホエ山

稜線が富士山にそっくりと言われる円錐形の美しい山です。

人気が高いトレッキングコース『トンガリロアルパインクロッシング』はルアペフ山地域のマンガテポポからケタテヒ温泉までが最も一般的なルート。

ルアペフ山

3つの峰をもち、そのうちタフランギ峰が北島の最高峰(2797m)です。

ハリウッド映画のロード・オブ・ザ・リング3部作で登場する『滅びの山』のロケ地としても知られています。

『トンガリロ』の名前の由来とは

ナウルホエ(投げられた熱い石)

ルアペフ(爆発する穴)

この2つの山の名前は、噴火した様子を連想させるようなネーミングです。

トンガリロ(南からの冷たい風)だけがちょっと違うようですが、どういう理由があったのでしょうか。

ニュージーランドに最初に移り住んだマオリ族は、北島東部に上陸後、内陸に向かって探検を始めます。

<探検後の足取り>

ベイオブプレンティを出発

→『ロトルア湖』を発見

→『タウポ湖』を発見

→遠くに『トンガリロ山』を発見

マオリ族の司祭、ナトロイランギはタウポ湖から見えたトンガリロ山の登頂に挑戦しますが、その途中で凍死寸前に陥ってしまいます。

そのとき、ナトロイランギは故郷に住む妹たちに向かって、

『火をもって来てくれ』

と頼んだそうです。

すると、その声は南風に乗って妹たちへ届き、環太平洋火山の山々が噴火してナトロイランギは一命を取り留めました。

ニュージーランドは南半球の国ですので、『南北と寒暖の関係』が北半球(日本など)とは逆になります。

北風=『温かい』

南風=『冷たい』

ナトロイランギのメッセージは、冷たい南風に乗って届いたということで、

トンガリロ=南からの冷たい風

という名がつけられた、ということです。

文字を持たないマオリ族はこうした様々な伝説を伝えることで、自らの歴史を子孫に残したと言われています。

世界でたった『39件』しかない希少な複合遺産

トンガリロ国立公園は『世界複合遺産』であることは最初に書いた通りです。

世界遺産には以下のように種類が3つあります。

『文化遺産』

『自然遺産』

『複合資産』

複合遺産に登録されるための条件は、

文化遺産と自然遺産の基準を最低1項目以上は満たしていること

どちらかに登録されるだけでもハードルは高く、両方の条件を満たす複合遺産はとても珍しいケースなのです。

<2019年 世界遺産登録件数>

世界文化遺産869件
世界自然遺産213件
世界複合遺産 39件
合 計1121件

ちなみに、ニュージーランドで世界遺産に登録されている3件のうち、『複合遺産』はトンガリロ国立公園のみです。

<ニュージーランドの世界遺産>

名称種別登録年
トンガリロ国立公園(北島)複合遺産1990年
テ・ワヒポウナム(南島)自然遺産1990年
亜南極諸島(南島)自然遺産1998年

『文化遺産』として登録された背景

上の表の通り、トンガリロは1990年、世界自然遺産として登録されます。

そして、その3年後に世界文化遺産としても登録され、複合遺産となりました。

なぜ、自然公園のトンガリロが文化遺産としても認められたのでしょうか。

国立公園内にはマオリ族が崇拝する場所が存在し、特にトンガリロ山には

『神聖な力が込められている』

そう信じられてきました。

しかし、ヨーロッパ人による開発が進むにつれ、その影響がこの土地にも及ぶことを怖れたマオリの首長はある決断を下します。

それが、

トンガリロを保護地域とすることを条件に政府に土地を譲ること

1894年、トンガリロはニュージーランド初(世界で4番目)の国立公園となります。

マオリ族が特別な行事に披露する『カパ・ハカ』という、歌と踊りを組み合わせた伝統芸能。

カパ・ハカにはトンガリロ山をテーマにするものも多く、この土地がマオリ族にとって『心のよりどころ』となっていることがうかがい知れます。

1990年に世界自然遺産としてトンガリロ国立公園が登録されたのは、

『自然環境』の価値が評価された結果

マオリ族にとってトンガリロは単なる自然なのではありません。

彼らにとってより大切だったのは、

トンガリロが『神聖な土地』であるということ

1993年にトンガリロが文化遺産としても登録される背景には、

マオリ族と精神的なつながりをもつトンガリロの文化的価値

この点を認めて欲しいと、マオリ族から要請があったと言われています。

トンガリロ国立公園で楽しめるアウトドア

自然が豊かなトンガリロ国立公園では、

①ハイキング

②トレッキング

③スキー/スノーボード

などのアクティビティを楽しめます。

①ハイキング

ファカパパビレッジからタラナキ滝まで往復2時間のコースがおすすめです。

山から流れてくる川のせせらぎと野鳥のさえずりを聞きながら森の中を歩く

晴れた日はナウルホエ山もきれいに見えてとても気持ちがいいです。

高さ20mのタラナキ滝の迫力を間近で感じたい方は、ぜひ滝壺まで近づいてみてください。

道順はコースに道標があるので迷わずに歩くことができます。

②トレッキング

世界的にも有名な『トンガリロアルパインクロッシング』が何といってもおすすめです。

所要時間7〜9時間
距離19.4km
最高点1,886m
最低点760m
ハイシーズン11月〜4月

高低差があるのでちょっとハードな行程ですが、道は整備されており、山歩きが好きな方でしたら問題ありません。

このトレッキングのハイライトは、

迫力あるレッドクレーターや神秘的なエメラルド湖などの絶景

マオリ族が崇めるトンガリロ国立公園の大自然を体感するならぜひ歩いてみたいコースです。

③スキー・スノーボード

ルアペフ山にあるファカパパスキー場の広さは、

ニュージーランド最大(東京ドーム110個分)

コースの地形はどのレベルのスキーヤーでも楽しめるようになっています。

シーズン6月〜10月
ベース地点1630m
最高地点2320m
高低差690m
広さ550ha
1日リフト券$89(18歳以上)$69(5〜17歳)
コース初心者25%・中級者50%・上級者25%

まとめ

先住民族マオリの聖地であるトンガリロ国立公園は、自然の美しさと文化的価値を併せもった希少な世界複合遺産として登録されています。

オークランドからだとちょっと遠いのが難点で、移動してからツアーなどに参加するのが一般的です。

【ハイキング】ロトルアから日帰りツアー

【トレッキング・スキー】トンガリロ周辺で宿泊

世界遺産は必ずしもアクセスが良い場所にあるわけではないので、これはある意味仕方がないのかもしれません。

また、時間をかけて行くところに旅の良さがあるとも言えます。

ニュージーランド旅行を計画されておられる方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。

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